見えない・見えにくくても、こんなことで障害(不便・困ること)はなくなっていきます(視覚障害者の生活の工夫)

掲載日:2009年10月30日

更新日:2014年10月19日

見えない・見えにくい人も特別変わった生活をしているわけではありません。 家族もいます。お料理したりお掃除したりお洗濯もします。買い物にも行きます。仕事にだって行きます。
野球、バレーボール、卓球などのスポーツやスキーなどを楽しむ人もいます。(見えない・見えにくい人も、ともに楽しめるスポーツ・余暇活動などをご紹介します)を参照してください。

皆さんの家族と同じですが、見えないですから「見える人にだけわかるようになっているもの」をそのまま使うことは困難ですから、現状はそれぞれで工夫をしているところも多くあります。

「注意!」ここに書いてあることは、「たとえば」ということです。
見えない・見えにくい人全員が、この道具を使ったり、やっていたりしているということではありません。他の道具を使っている人もいますし、それぞれがその人独自に工夫して暮らしています。

見えない人が使いやすいように
考え出された製品を使う
ユニバーサルデザイン(だれもが使いやすいように
作られたもの)製品を使う
針がさわれる時計、音声体温計、一回押すと決まった量が出てくる調味料容器、点字付きはかり。 点字表示のある家電製品、ボディーにギザギザがついたシャンプーボトル。
針がさわれる時計 点字付きはかり ボディーにギザギザがついたシャンプーボトル ボディーに点字表示がついているボンド
自分よりも前に見えなくなった人が
工夫した方法を真似する
自分なりに工夫する
包丁の安全な使い方、むき残さない皮むきの仕方。 同じ形や手触りの洋服の色の違いを触ってわかるように、表面から見えないところに自分でしるしをつける。
同じ形のボトルの中味が触ってわかるようにボトルの一つに輪ゴムを巻くなど。
包丁の安全な使い方 ボトルの中味が触ってわかるようにボトルの一つに輪ゴムを巻いたイメージ
見える人に手伝ってもらう
ヘルパーに紙を手渡す直子
手書きの手紙や広告などを読んでもらう。
洗濯物の汚れやシミをきれいにしてもらう。

覚えておくこと。(置いた場所、閉まった場所、自分で工夫したしるし、見える人から得た情報など)

◆ 見えない・見えにくい人の文字処理

★ 点字
手書きや印刷の文字は視覚にだけ配慮した文字ですので視覚を使えない人には障害(利用できないもの)ですが、点字という触覚に配慮した文字があることで障害(不便)は軽減されます。

普通の点字は「カナ」だけです。
書き方のルールがあります。
*中高年になっての中途失明の方など、なかなか習得困難な方もいます。

★ IT機器(音声)

音声読み上げ機能付き携帯電話の利用や、市販のパソコンに「読み上げソフト」をインストールすることで、画面に表示された文字を音声化して、聴覚でわかる情報にすることができますので障害(不便)は軽減されます。
入力や操作は全てキーボードで行います。

どのようにディスプレイに表示された文字が音声として聞けるのかが、当サイトトップページで聞くことができます。実際には視覚障害者はもっともっと早いスピードで聞いていることが多いです。是非聞いてみてください。

UD(ユニバーサルデザイン)出版されている本
パソコンの画面読み上げソフトを利用して、音声で本に書かれていることを聞けるデータを提供して出版している本がありますので、このような配慮がなされた本ならば障害(不便)なく、上記パソコンを利用することで読むことができます。

★ 音訳・点訳

視覚にだけわかる情報(書籍や雑誌など)を、多くのボランティアの方が聴覚でわかる情報に変換、音訳、触覚でわかる情報に返還(点訳)をしてくれて、見えない・見えにくい人の障害(不便)を軽減してくれています。

また弱視者は
大きく見やすい文字で書いてある拡大図書の利用
文字を拡大する機器の利用
自分の見え方に合わせて太く書けるマジックや、色が濃くはっきり出るペンなどの利用で
障害(不便)を軽減する工夫をしています。

◆ 見えない・見えにくい人の歩行

★白杖を使います。
白杖を持って歩く女性のイラスト

この杖には2つの役割があります。
1.見えない・見えにくい人自身がこの杖を使って前方の障害物を感知したり、杖の先が地面に当たったときの音を聞いて、まわりの状況を判断したりします。
2.周囲の人に「見えない・見えにくい人」であることを知らせる役割をします。

*道路交通法で、前方の安全を自ら確かめることが困難な人は白か黄色の杖を持つと決められています。

白杖を使うことで、わずかではありますが前方の情報を収集できるので、歩行の障害(不便)は軽減されますが、白杖で収集できる情報は少ないために、歩行に必要な全ての情報を得ることができないのが現状です。
ここに周囲の人の配慮があることによって、さらに障害(不便)は軽減され、無くすこともできます。

★ 盲導犬を使います
盲導犬を持った男性

盲導犬は、パートナーである見えない人に、「路地があること、段差があること、階段があること、入口の場所」などを知らせます。
こうして視覚にだけわかる情報を盲導犬が「犬自身の体の動き」という触覚情報にしてパートナーに伝えますので情報不足という歩行の障害(不便)は軽減されます。

盲導犬は基本的にはパートナーの指示通りに動きますが、危険がある場合にはその限りではありません。指示があっても動かないで、パートナーに危険を知らせます。

※盲導犬を見かけたら、
ハーネス(胴輪)をはめているときは仕事中です。
仕事中の盲導犬に声をかけたり、触ったりしないでください。犬の気が散ると仕事が
おろそかになり、パートナーが危険にさらされないとも限りません。
もし、犬に触りたい、犬とふれあいたい、などということでしたら、パートナーに声をかけてみてください。
時間があるときで止まっている時には、きっとハーネス(胴輪)をはずして、仕事中ではない状態にして、犬とふれあうことをさせてくれることが多いと思いますよ!

補助犬マーク

※補助犬法
この法律により、盲導犬は「乗り物、宿泊施設、飲食施設、学校、病院等」にパートナーとともに入れることを保障されているのですが、まだまだ入店を断る飲食施設があることは残念なことです。

街に出たときに周囲を見回してみてください。
街には文字情報があふれていますがそれは視覚だけがキャッチできる情報です。そして電柱がある、花壇がある、ここにバス停がある、ここには階段があるなどなど、
「ものがある」という情報はなかなか視覚以外でわかる状況にはありません。
白杖がぶつかったときや、盲導犬がよけて歩いたりということで見えない・見えにくい人にはじめて伝わるものです。
見えない・見えにくい人にとって街を歩くことはとても情報不足の中の行動と言っても過言ではありません。

白杖を利用する人・盲導犬を利用する人、ともに、周囲を歩く人たちの配慮があることによって、歩行の安全と情報不足、つまり障害(不便)が解消されていきます

目的の場所の前まで行っていたとしても、その場所であるということは、看板という視覚にだけわかる文字情報でしか情報提供されていないので、見えない・見えにくい人には確認ができないという障害(不便)が作り出されています。
しかし、ここで通りかかった人のちょっとした配慮があることで、この「文字情報だけしか提供されていない」という障害は、なくなるのです。
「このあたりに○○があると思うのですが、どこでしょうか」と情報提供を求めている「見えない・見えにくい人」がいたときに、「それならもう少し右の方が入り口です。そこまでいっしょにいきましょう。」などと、ご自分が「見た情報」を、言葉という「聴覚情報」、「いっしょに行きましょう」という「触覚情報(誘導)」というものに変換して提供するという配慮をしてくれることで、「見えない・見えにくい人」の「目的地を探すことが困難」という障害は、無くなるのです。

製品やサービスも同じことがいえます。
ユニバーサルデザイン製品を使うことを紹介しましたが、いわゆる健常者と言われる「ある一定の人にだけ配慮された製品やサービス」でなく、最大限にいろいろな機能の人に配慮した製品やサービスができることで、障害の状況に置かれる人がどんどん少なくなるのです。

見えない・見えにくい人にとっても「単に見えない・見えにくいだけ」であって、障害(不便)が存在しない社会が訪れることを願っています。

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