冊子p12p13 直子の見えにくくなってきたとき・少しだけ見えていたとき [障害理解のための冊子の該当ページを縮小して掲載] ==========その内容ここから p12 ★ページ一番上 いらすと: ほほえんでいる直子さんの顔 ○顔から吹き出し 少し見えにくくなってきた中学・高校時代を紹介するわ。 ★上側のイラスト: 中学生時代の直子さん、学校の校庭を歩いている制服姿の直子さん、教室の窓から友達が手を振っているけど直子さんはわからない 友達からは「直子のやつ無視した」の心の声の吹き出し。 ●本文: 中学生のころに見えにくくなり、はじめ、いろいろと誤解されました。そんなことがたびたびあり、やはり見えにくいことを友達に知ってほしいと思うようになりました。 ★下側のイラスト: 高校時代、弱視者用書見台に教科書をのせ、ルーペで教科書の文字を拡大して読んでいる眼鏡をかけた直子さん ●本文: 高校生のころは文字も見えにくくなり、このようにして教科書を読んでいました。 p13 ★ページ一番上 いらすと: ほほえんでいる直子さんの顔 ○顔から吹き出し 働きだしたころはもっと見えにくくなって、こんなふうだったわ。 ★上側のイラスト 眼鏡をかけている直子さん、目の前の看板には目の高さで大きな文字で「横浜方面→ 」と書いてある。更に看板にはバス、タクシーの文字とマークも大きく書いてある ●本文: コントラストがはっきりした大きく見やすい表示が目の高さにあるところは助かりました。 ★左下の写真: 単眼鏡とフラッシュライト ●本文: 見やすいものばかりではないので、単眼鏡やライトを使いました。 ★右下のイラスト: 白杖を持って歩くメガネをかけた直子さん。 ●本文: 人ごみではぶつかりそうなので、まだ少し見えていたときも白杖をもって歩いていました。 ==========内容ここまで [以下、解説書掲載内容] :偏見が弱視者の大きな障害となっている 今、直子は全盲ですが、見えにくい状態(弱視)で過していた頃のエピソードです。ここでは、「弱視者にとっての障害」について考えていきます。 “大きな文字なら見えるだろう”は、誤解です。弱視者と一括りにしてしまいがちですが、明るさや色使いにより見えにくい、全体的にぼやけている、視野狭窄(見える範囲が狭い)で大きすぎる文字は見えにくい等、見え方は様々です。眼科医会の調べでは、視覚に何らかの不具合がある人の中のおよそ9割(約150万人)が見えにくい状況と言われています。 [冊子掲載のイラストの解説] p12上:誤解から人の意識が障害(バリア)となってしまう例です。 「見えにくいこと」は「全く見えない」よりも周囲の理解を得るのは大変難しいことです。 見えにくい人本人が、見えにくさを隠す傾向があり、周囲にはっきりと自分の状況を伝えることをためらっている人が多いことも理解を得られない原因の一つです。 日本社会において「からだの障害」は古くからマイナスの価値付けがされてきた背景があります。からだに 障害がある人もない人も、「からだの障害は恥ずかしいことでも劣ることでもない」とする考え方ができないことから起こる悪循環によるものと思われます。 誰もが当たり前に、からだの障害にマイナスの価値づけをせず異質なものとしないで、一人一人が「ありのままでいいのだ」と認識されるようになれば、障害者本人も自己否定する気持ちがなくなり、周囲に自分の状況を普通に説明できるようになるはずです。 そしてそれを周囲が「当たり前に理解すること」で、誰一人として差別や偏見で苦しむことがない社会ができると考えています。 ===イラストの解説ここまで 弱視時代の直子さんから吹き出し: 「目が見えにくいことを みんなに知られたら・・・」って ビクビクしてた もう一つ別のところに吹き出し: 見えにくいこと 友達に言ってよかった 誤解がなくなったの( ^)o(^ ) 弱視の人の見え方で、どのようなことで障害がなくなるかを紹介しています。 [冊子掲載のイラストの解説] p12下:本を読む時に見やすい位置に本を固定し、現有視力でも拡大鏡を眼鏡と併用することで文字を認識しやすくしている例です。 p13上:見やすい位置にはっきりと表示されているので障害がない例です。 中:全盲に限らず、視力が少しある人も情報収集と周囲の注意喚起のために白杖を使う場合があることを示しています。 下:今の視力を活用しながら見えやすくする道具の例です。 ===イラストの解説ここまで 弱視者は、見るために表示に顔を近づけて長時間見つめていたり、見慣れない道具を使ったりすることも あるので、「ヘンな人」と瞬間的に偏見を持たれてしまうことが、よくあります。 少し見えていても歩行に必要な情報が十分に得られない人は、白杖を持ち、そこから得られる情報も併用して歩きます。そして、白杖を持つことで法的にも守られます。しかし、「全盲だけが白杖を持つ」と誤解している人が多いために、相手が「少し見える」とわかった瞬間に「嘘つき呼ばわり」され、大きく心が傷つけられてしまうこともあります。 世の中には誰一人として同じ人はいません。しかし相手が自分とある一定以上違うと、瞬間的にヘンという感情が生まれ偏見へと繋がります。しかし、そのときに一歩立ち止まって「一人一人の違いに着目し、その人自身を理解しよう」とする意識をもって相手と接すると、偏見はなくなり、それに苦しむ人もいなくなるのではないでしょうか。 直子さんのイラストから吹き出し: これって見えにくい人だけのことではないわよね 別の吹き出し: 見えにくい人も白杖を使います トピック記事 【 道路交通法第14条 目 が見えない者、幼児、高齢者等の保護) 】 『目が見えない者(【目が見えない者に準ずる者】を含む。以下同じ。)は、 道路を通行するときは、政令で定めるつえを携え、 又は政令で定める盲導犬を連れていなければならない。』