表紙裏 見開き 左側 イラスト: 白杖を持っている直子さん(冊子表紙中央の直子さん)) [イラストの中の文] 青に変わったことが伝わらない ( 青信号で渡れない ) のはなぜ? 社会モデル 信号に視覚情報だけしかない →原因は 環境 にある イラスト: 信号のアップ 個人モデル 目が見えないから →原因は 人の体 にある イラスト: 白杖のアップ ===イラストはここまで 障害の社会モデルとは 障害(バリア)ができる原因は、社会(モノ、環境、人の意識等)のあり方にあるという考え方です。個人の心身機能の不自由は、障害(バリア)の原因ではなく人の特性、多様性と考えます。 上の図で考えると、青に変わったことが伝わらない原因を「目が見えないから」とするのが個人モデル・医学モデルです。目を見えるようにしなければ伝わりません。一方、社会モデル・人権モデルでは、「多様な人がいることを無視して音の出ない信号機を設置したこと」が原因であると考えます。信号機のしくみを変更すれば伝わります。「障害(バリア)の原因と解決の責任がどこにあるか」が、社会モデルと個人モデルでは大きく異なるのです。 社会モデル・人権モデル と 個人モデル・医学モデル の対比の表 [項目 社会モデル 個人モデル の順] 基礎となるもの 世界的な考え方 無意識に思い込んでいる考え方 人の価値 多様性の尊重 (みんなちがって当たり前) 健常こそが正常である 障害者の捉え方 一人の人間として尊重 庇護する対象として見る 障害の意味 バリア(社会的障壁) からだが不自由なこと 障害の原因 配慮の不平等 病気やケガ 障害の解決法 配慮の平等 病気やケガが治ること ===表ここまで 出典:久野研二(2018)「社会の障害を見つけよう:一人ひとりが主役の障害平等研修」(現代書館)をもとに作成 個人モデルで考えている限り、障害がなくなる日は永遠にやってきません。 しかし社会モデルの考え方は、社会の責任として障害をなくすことに取り組むのですから、当然障害はなくなっていきます。 社会モデルは共生社会への試金石なのです。 表紙裏 見開き 右側 私たちの講座と従来の講座とを比較したものです。 私たちの障害理解講座は障害平等研修を参考にしています ===対比の表ここから [項目、私たちの障害理解講座 社会モデル・人権モデル、 従来の啓発研修 個人モデル・医学モデル、の順]   研修実施者 視覚障害当事者 医療や福祉の専門家 実施する体験 見ないで「できる・わかる」体験 アイマスクによる恐怖と絶望の体験 着目点 社会にある差別や不平等 人のからだの不自由 目的 人の意識も含めた社会の配慮の不平等で 障害が作り出されていることに気づく 障害者の一般的な助け方を知る 受講後の変化(次の3項目) 障害は 自分の生活に関係ある 自分には関係ない たいへんだ 気持ちは ありのままでいいんだ かわいそう いやだ 行動は まず学級内で互いに配慮して障害をなくす 障害者には優しくしてあげようと思う ===表ここまで 誰にも障害 バリア のない共生社会ができるためには、「全ての人が、社会とのかかわりの中で尊厳のある一人の人として暮らしていること」を、無視しては考えられないはずです。 しかし、従来から人権教育・福祉教育と称して、「障害者にはやさしくして助けてあげましょう」という個人モデルの講座が当たり前のように実施され続けられてきました。これは人権を無視するつもりもなく、よかれと考え実施していることなのですが、障害者の機能的制限にだけ着目しているので、無意識のうちに社会とのかかわりは無視されて「健常者から庇護される者・別世界に生きる劣った者」と障害者を位置づけてしまうのです。このようなことで結果的に差別助長教育になってしまっており、きわめて残念な現状です。 ぜひ、人権教育で何を学んで欲しいのかを今一度考えてみてください。 『障害理解のための冊子』の概要 1.ナビゲートキャラクター直子の自己紹介(p2) 2.視覚以外の感覚の確認(p3) 3.直子の生活 : 障害が ないとき あるとき (p4〜p13) 4.障害とは何か(p14 p15) 5.障害をなくす3つの社会のしくみ(p16〜p21) 6.健常者への適用(p22 p23) 7.障害の真の原因に気づき解決方法を考える(p24 p25) 8.皆さんへのメッセージ(p26 p27 ) ナビゲートキャラクター直子さんのイラストから吹き出し: 私たちの講座の事前・事後学習にお役立てください。 冊子はここから [児童生徒向け冊子をダウンロードできるQRコードを掲載]