次の見開き 左側 アイマスク体験は やめて!! (赤の太いアンダーライン) アイマスク体験は極めて危険な体験で、「何が目の見えない人の障害(バリア)になっているのか」を正しく理解することにはつながりません。 アイマスク体験は視覚障害者の体験ではありません。強いて言うならば失明した瞬間の体験です。 視覚は他の感覚とは違い、一度に膨大な量の情報を入手することが可能ですから、目の見える人がアイマスクでその情報を一瞬にして遮断されると「見えない」=「怖い・何もわからない・できない」と感じてしまうのは当然のことです。これは目の見えない人の状況とは大きく異なります。 目の見えない人は、見ること以外の感覚に常に意識を向けて生活しています。それに対して目の見える人は、大部分を見ることに頼っているので、その他の感覚に意識を向けることがあまりありません。つまり視覚以外の感覚を使い情報を集めて活用する経験がないのです。 経験のないことはできなくて当たり前なのですが、多くの場合この「経験がないこと」には着目されることがなく、目が見えないからできないのだと直観的に決めつけ、大きな誤解による間違った理解がされてしまうのです。 ですから、小・中学生など年齢が低いほど「何が目の見えない人の障害(バリア)なのか」を能動的に考えることが難しく、社会のしくみの不平等に気づくことは困難です。 ===赤のアンダーライン アイマスク体験は、突然に視覚を遮断されて感じる衝撃的な恐怖と無力感のみが強烈に印象づけられ、「見えなくなったら大変・そうはなりたくない」というマイナスの記憶だけを残します。そして、このことから呼び起こされる絶望感が、トラウマとして残る可能性が高く、更には身体的な大けがにもつながる、極めて危険な体験なのです。 ===アンダーラインここまで まだまだ多くの学校で、このようなアイマスク体験活動が有効な体験と誤解されて実施し続けられていることは極めて残念でなりません。 ぜひ読んでほしい! 大人には想像もつかない行動をするのが 子ども です 「アイマスク体験レポート 〜 一人の小学校教師の実践記 〜」 [View-Netホームページに掲載しているレポートを直接開けるQRコードを掲載] 直子さんのイラストから吹き出し: 差別の助長につながるような体験はやらないで!! 見開き 右側 【 おすすめ体験 】忘れていました! こんな感覚があったんだ 私たちの体験の目的は、目の見える人が忘れがちな「視覚以外の感覚でも様子が伝わること」を思い出し、それを活用することで、今までは「視力を使わないとわからない」と思っていたことが、実は「使わなくてもわかる」ということに自ら気づくことです。 アイマスクは、大きな誤解や偏見を生みやすいので使いません。 おすすめの体験は、見なくても「聞くこと」や「さわること」で判断できる体験です。 例:聞いてわかる →「ビン・缶・ペットボトル」の音の録音を聞いて区別する 録音した声や音を聞いて、誰なのかを判断する 先生の足音あてクイズ 例:触覚でわかる → 手元を見ないで 筆箱から消しゴム、ランドセルからペンケースを取り出す この他の体験例はこちらから [View-Netホームページに掲載している体験例を直接開けるQRコードを掲載] 直子さんのイラストから吹き出し: 見ないとわからないのは慣れていないだけ。慣れたら誰だってわかるようになるわ! トピック記事 【 障害者権利条約 と 障害者差別解消法 】 2006年に第61回国連総会にて採択された「障害者権利条約」は、あらゆる障害(身体障害、知的障害及び精神障害等)のある人の尊厳と権利を保障するための21世紀初の国際人権法に基づく人権条約です。日本政府の署名は、2007年9月28日に行っており、2014年1月20日に批准しました。 その理念は2011年に施行された改正障害者基本法に明記され、成立から3年を経て2016年に施行となった 「障害者差別解消法」などにも盛り込まれています。そこには、障害者とは「社会にある障害(バリア)により、社会生活において相当の制限を受ける人のことである」とあります。障害の原因が社会にあることが明記されたのです。 「障害者権利条約」わかりやすい版 パンフレット 外務省 「障害者差別解消法が変わります」 リーフレット 内閣府 [それぞれを直接開けるQRコードを掲載]