◆ スポーツ
★陸上競技
○マラソン
「伴走ロープ」と呼ばれる一定の長さのひも状のものの一端を、見えない・見えにくい選手が、反対側の端を見える伴走者が持って走ります。
公式レースでは、伴走者は選手の横か後ろについて走ります。
伴走者が前を走ると、伴走者が引っ張った、つまり選手が自力で走らなかったとみなされ、失格になります。
伴走者の一番の役目は、選手の安全確保をすることです。
伴走者は、曲がる方向はもちろんのこと、路面のアップダウンや、グレーチング、マンホールなど、路面状況を選手に伝えます。公式レースなどでは「今、何キロ通過、タイムは何分」など、走っているペースも伝えます。
あとは個人の好みで、周囲の景色などを説明してもらいながら走る選手もいます。
もちろん路面状況やペースを教えてくれるだけでいいという選手もいます。
○短距離走
ゴールで音を鳴らし、その音に向かって走ります。
○投擲競技
投げる方向で音を鳴らし、そちらの方向に投げます。
★球技
○サウンドテーブルテニス
動画: ユーチューブ動画
卓球台の上をなまり玉が入ったピンポン球を転がします。ネットの下を通します。その音を聞いてラケットで相手方に転がし返します。卓球台の周囲には玉が落ちないように立ち上がりがあります。ネットは玉が通るくらい上に上げます。
競技では、わずかであっても視力による差ができないように、全ての競技者が視力を一切使わないためにアイマスクを着用します。
○フロアバレーボール
コートやボールは普通のバレーボールのものを使用します。
ネットはバレーボールが通るくらい床からあげた位置に張ります。そのネットの下をボールをころがします。3回までで相手方のコートに返します。
6人制で前衛の3人は視力を使いません(*1) 後衛の3人は視力を使い、前衛にボールの位置や相手の状況を声で伝えます。
(*1) 競技では、わずかであっても視力による差ができないように、前衛競技者は視力を一切使わないためにアイマスクを着用します。
○グランドソフトボール
1チーム10人、このうち4人は視力を一切使わない選手(2)です。 広さはソフトボールの広さで、ボールはハンドボールを使います。手には手袋をします、グローブは使いません。 ピッチャーは必ず全盲選手(2)で、キャッチャーは視力を使う選手です。
キャッチャーはピッチャーに手をたたいて投げる方向を伝えます。
交錯によるけがを防ぐために走塁ベースと守備ベースが分かれています。
全盲選手がゴロをとってもフライをとったのと同じでアウトになります。
○サッカー
コートはフットサルの大きさで5人制です。
コーラーと呼ばれる視力を使うコーチが、相手方ゴールの裏から声でメンバーに状況を伝え指示も出すことができます。
ゴールキーパーも視力を使う人です。
フィールドプレイヤーは視力を使いません。ヘッドギアを装着しまし、わずかであっても視力による差ができないように、全ての競技者が視力を一切使わないためにアイマスクも着用します。
25分ハーフで50分が試合時間です。
○ゴールボール
1チーム3人でアイマスクを全員着用します。
鈴の入ったボールを転がし投げて、バレーボールコートの大きさのコートの両サイドにサッカーゴールのようなものがあってそこにボールを投げ入れます。
○テニス
バトミントンのコートの大きさで、ショートテニスのラケットを使用します。
スポンジボールの中にサウンドテーブルテニスの球を入れて音が出るようにします。全盲者は3バウンドまでOKです。
○ゴルフ
方向と距離を見える人に伝えてもらってプレイします。
○ボウリング
レーンの方向・場所、残りピンを見える人に伝えてもらいプレイします。
★パラグライダー
ハーネスというリュックのような物を背中に背負います。その先に紐がついていて、その先に翼があります。
スタートはガイドさんが風を確認してくれて一緒に走り出します。風を感じたらスピードを上げて、そこからは一人で走ります。
翼に風の抵抗を確認したら紐を手から離します。すると体が浮いて前に進みます。
手と翼がロープで繋げてあり、手を上げると高くなり、下げるとブレーキがかかって止まるようになっています。
ガイドさんが地上を走って付いて来てくれて、声で指示をくれます。
着地するときは、ガイドさんの声かけで手を下げてブレーキをかけて足を地上に着きます。
体が浮いて、飛んでいる感覚を十分に味わうことができます。
★柔道
一般の柔道と同じですが、両者が中央で組んでから試合開始となり、途中で離れてしまったら主審が「まて」を宣告し、試合開始位置に戻って組んでから試合を再開します。
★水泳
壁の手前でタッピングといって、もうすぐ壁に着くという合図をしてもらい、激突などを防ぎます。
★マリンスポーツ
○サーフィン
写真: 見える人の声かけを聞いてボードを操りサーフィンを楽しむ見えない人の写真
あらかじめ沖に一人、コースの両脇に岸までの間に4人ずつくらいの見える人が待機します。
一番沖の見える人の声かけでボードに立ちます。
両側にいる見える人の声かけを聞いてボードを操り、岸に向かって進みます。
○カヌー
二人乗りで見える人とともに乗ります。
○ヨットセーリング
見える人とチームを組んで行います。
○スキューバダイビング
ガイドダイバーとともに潜水します。
★スキー
○アルペンスキー・クロスカントリースキー
ガイドスキーヤーに、後ろや前から方向指示を受けたり、前で滑る方向から音を出してその方向に向かって滑ります。
★その他
○登山
見えるパートナーと共に登ります。
○クライミング
フリークライミングでは、登る課題(ルート)ごとに、使えるホールド(石)が決まっていて、見える人がガイドとして、後ろから登るルートのホールドを伝えます。
最後まで登り切ることが目標で、登る速さを競うなどの勝ち負けはないので、年齢なども問わず、自分のペースで楽しめます。
詳しくは、 NPO法人モンキーマジック のページをご覧ください。
写真: 視覚障害者が見える人のガイドでクライミングをしている写真
◆ダンス
見えるパートナーと組んで踊ります。
◆音楽
声楽家、あらゆる楽器の視覚障害者の演奏者がいます。
バンドを組んでいたり、ソロ活動をしたりしています。
点字の楽譜もあります。
◆芸能
落語家、漫才師、他
◆手芸
編み物、パッチワーク、など