1.実施施設名: 横浜市立日限山中学校ブロック人権推進協議会
2.実施日時: 平成29年10月30日 15:50~16:50
3.対象者: 日限山中学校、日限山小学校、南舞岡小学校先生方 約60名
4.内容:
(1)導入
(2)講師の体験談
(3)過去の福祉教育活動(個人モデル)の中から生まれてきた疑問点
① 過去の講座で起こったこと
○できないことに注目される
○普通に生活していることを話すと「すごい」と賞賛される
○他人事で終わる空しさ
② 疑問点の分析
○見える人は見えない人を庇護する図式ができあがる。
→かわいそうという感情→あわれみの差別:ここで留まるならば差別の助長を
するだけ。障害当事者が差別の助長を平気でしていた。
○その場限りのイベントで終わる傾向がある。
(4)現在の講座スタイル(社会モデル)
① 障害の社会モデル
○できないことを知るのではなく、どうしたらできるようになるのかを考える。
○障害は「身体欠損」にあるのではなく、「いろいろな身体機能の人を受け入れ
ない社会」にある。
○社会に存在する障害をなくす意味での援助行動を考える。
② 社会モデルの普遍性
○あらゆる人たちに起こる不便・困ること(つまり障害)にも共通な考え方であ
る。
○障害の捉え方が変わるので、個人の生活上の障害から、自分たちが常に作り出
したり無くしたりできるものとして考えられようになる。
○社会モデルの視点で捉えられれば、差別の助長にならない、他人事で終わらな
い自分のこととして考えられるようになる。
※ アイマスクの危険性について
(5)実際の小中学校での講座事例
① 小学校
○2~3クラス程度の場合
→卓球など遊びの中から見ないでできる体験と、そこにどんな仕組みやルール
があるからできるのかについて考えていく。
○全校等
→全体に向けたクイズなどから、どんなことで障害が作り出されていて、どん
なことで障害がなくなるかを考えていく。
② 中学校
○講和形式、ユニバーサルデザインを考える等
(6)質問タイム
(7)まとめメッセージ
5.講師からの感想等
○実際に児童生徒へどのような講座を提供しているのかの紹介をしたことで、先生
方の社会モデルの理解が具体化されていったようです。
6.学校からの感想など
<参加者から>
○相手を思いやって配慮しながら生活することは何も特別なことではなく私たちの
生活の中にも常にあることに気づくことができました。どこにいても誰といても
みんなが障害を感じることなく過ごすことができる空間、それを作っていこうと
行動できる子どもを育てていきたいです。教師としてその手本になれるよう一人
ひとりの子どもたちへの配慮を心がけていきます。
○障害というのは見えない・聞こえないということでなく、誰もが使えるように
なっていないことが障害になることがわかりました。大人でも子どもでも人はそ
れぞれ違いがあり、感じ方、考え方が違うものです。違いを違いとして認め合い
どのように過ごせれば皆が心地よく生きていくことができるのかを考えていくよ
うにしたいと思いました。
○どんな人にも障害があり、相手への配慮により壁を低くすることができると思い
ました。人権教育、社会福祉をどのように伝えていくのか考えさせて頂く良い機
会となりました。たいへん・かわいそうという感想をもたせないためにどのよう
にすれば障害をクリアできるか、障害を作らないでいられるかを考えられる教育
でなければならないと感じました。身近なものとして考えられる大切さを知りま
した。
○ユニバーサルデザインでだれでも利用できるようにするためには相手を思って相
手を理解することだとおっしゃっていて、あらためて相手のことを理解して配慮
をすることが大切だと感じました。障害がある人をかわいそう、手伝って「あげ
る」と上から目線でなく単純に困っている人を助ける、個性として受け止めるこ
とのできる子どもたちを育てていかなければならないと感じました。
○社会のしくみを変えることで障害への見方は変わると思います。障害のある人も
ない人も障害を感じることのない世の中を目指したいです。そのために私たちは
障害を感じさせないように相手のことを考えて配慮できることを子どもたちに伝
えることが大切だと思いました。