1.実施施設名: 横浜市立今井小学校
2.講座実施日時:令和2年12月 3日 9:40~10:15 低学年 10:40~11:40 中高学年
3.対象者: 全校 低学年 112名 中高学年 215名
4.内容:障害ってなあに?
(1)導入
(2)目以外から伝わる感覚
1)誰もが視覚以外の感覚を使って生活をしていることの確認
2)見なくてもわかるゲーム
3)視覚以外の四感の再確認と経験と記憶の重要性の確認
(3)日常生活
1)屋内編
① 困らない(障害がない)こと
ユニバーサルデザイン・バリアフリーデザイン製品の利用
② 困る(障害がある)こと
(低学年) 教室の時計は、時間がどんな人にだけ伝わるかな。
仲間外れになっているのはどんな人?
(中高学年) 同じ形の同じ大きさの食品パッケージ 何で見えない人には中身の
情報が伝わらないの? どうしたら伝わるようになるかな?
2)外出編
○ 白杖の役割の説明
○ 周囲の音や点字ブロックなどの足裏からの感覚
(中高学年のみ)点字ブロックの上の自転車→障害を作り出している事例の紹介
○ 周囲の人の声かけ・情報提供が障害を激減させる
3)一般的誘導法の紹介 寸劇
Aさん: 障害を作り出す人1 (周囲のことを無視する)
Bさん: 障害を作り出す人2 (自己満足で行動)
Cさん: 障害をなくす人 (相手を尊重する)
(4)児童の日常への応用
児童自身が受けている配慮 学校の設備などを事例に
(5)障害を見抜く視点の獲得と解決法を創造する演習
…… どんな障害があるの? その原因は? 解決法は?
1)実物で演習 「椅子が出しっぱなし 」を事例に
2)イラストを使っての演習
(6)配慮の実践 ジャンケン大会
1) 見えない人も共にジャンケンで楽しめるように配慮する方法を考える
2) 配慮したジャンケンを全員で実施
(7)まとめ
・どうしたら障害を作り出さない、無くせる(配慮ができる)ようになるかな?
障害を作り出すのも無くすのも、一人ひとりができること。
・誰一人として同じ人はいないのだから、互いの違いを理解し、相手の立場に立って考え
られるようになったら、障害を作り出さない、無くせる 配慮ができる人になれるよ。
(多様性の尊重)
・そしたら、だれもが寂しくならないでみんなが楽しく暮らせる。
(8)質問タイム (中高学年のみ)
5.講師の感想など
○事前の教員向け研修で、校長先生はじめ学校全体の先生が社会モデルで障害を考える
ことの大切さと個人モデルの弊害を理解してくれていて、とても進めやすかった。
○リアル会場とリモート会場の2本立ての環境での実施だったが、リモート会場でも児童
は問いかけにしっかりと答えてくれていたとのことです。
6.学校からの感想など
〈児童から〉
[1年生]
○みんなを大切にする。人に優しくする。
○人に優しくする。いじめない。ルールを守る。殴らない。
○意地悪をしない。助ける。ちゃんとしてあげる。
[2年生]
○お話を聞いて、友達のことを思いやったり手伝ったりすると楽になれるんだなと思いまし
た。
○仲間外れにしない。ドッジボールとかバスケとかサッカー遊びとか、仲間外れにならない
方法を考えて、出来る限り遊びたいです。
○どんな人も助け合って生きていくために、これからもみんな一緒に頑張りたいです。
[3年生]
○私は今日から前より多く配慮したいです。例えば掃除のロッカーで次にほうきやちりとり
を使うために、ちゃんと元の場所に戻して、人の気持ちを考えて話したいです。
○話を聞いてこれからはみんなと助け合って行こうと思いました。そして、これからは困っ
ている人がいたら助けようと思いました。なので助け合えるように努力したいと思います。
とても楽しかったです。私も目がもし見えなくなったら、今日のお話しみたいにやってみ
ます。
○目当てにあった「誰もが楽しく暮らせる社会」ができるように3つのキーワードを心の中
に入れられたらいいと思います。私が一番大事だと思ったことは、自分から色々な人のた
めに行動することが大事だと思いました。
[4年生]
○私はそもそも、目や耳・口とかが不自由なことが障害なのかと思っていました。ところが、
いろいろな工夫があると目が不自由でも障害ではないと理解しました。そして体が何も不
自由ではなくても障害があると初めて知りました。これから私は人が障害にならないよう
に、そして不自由な人がいたら手助けをしたいと思います。
○私がお話を聞いて覚えた言葉は配慮です。私はこれを聞いて人にもっと思いやりを持とう
と思いました。
○誰にでも役に立つユニバーサルデザインをいっぱい作って障害を作らないようにしようと
思いました。
[5年生]
○話を聞いて、何でバリアフリー対応に開発者はしなかったのか、何で対応する品に変えな
いのかと思いました。なぜかと言うと、皆バリアフリーという言葉を知っているはずだし、
障害者が多くいるということも知っているはずだから、新しいものを作る時に「なぜ配慮
ということをしないのか」と思ったからです。
○いろんな人と楽しく遊べるような遊びを考えたい。いろいろな配慮をしたい。皆が同じよ
うに暮らせるような仕組みがあるのを知った。そのような仕組みが増えたらいいと思った。
○話を聞いて、配慮は大切だと思いました。世界にはいろんな人がいると思います。その中
でも障害のある人がたくさんいるので、その人たちには配慮をしていきたいです。でも最
初はクラスのみんな、身近な人から配慮をしていきたいです。
[6年生]
○もしも自分が何かを作るときは障害を持っている人も持っていない人も平等に暮らせるも
のを作ればみんな同じように暮らせることがわかりました。
○私は今日話を聞いて、配慮すればみんな障害なく暮らせることが分かりました。私も下級
生の人や同じ学年の人たちに配慮していきたいと思います。
○みんながみんな色々なところが違うから、自分だけのことを考えず、他の人にも思いやり
を持ち配慮するということが、もっともっと増えたら、障害を持っている方も持ってない
方もみんなが嬉しくなったり笑顔になったりすることが多くなったりすると思うので、こ
れらのことを踏まえて私も周りの人に配慮するということを教えたり、障害を持っている
方がいたら私に何かできることはありますかと聞いたり出来る人になりたいと思いました。
〈先生から〉
[低学年]
○はじめは、緊張しているのもあり、なかなか声を出して答えることができない児童もいま
したが、音あてゲームや寸劇などを通して、次第に興味をもって取り組むようになったと
思います。
○1年生でも、椅子をきちんとしまうことなど、自分たちでもこんなことができるのかと気
付いた様子でした。
[中高学年]
○講師の話とスライドがしっかりと教室に届き、子どもの反応が良かったです。
○子どもによっては、親切にすることと相手に合わせて行動することの違いが、あまり分か
らない子がいたようです。