概要

実施施設名法政大学第二中学校・高等学校
実施日時 第一回目 令和4年1月17日 13:25~15:15 5・6校時
 第二回目 令和4年1月24日 13:15~14:45 5・6校時
対象者高等学校3年生 講座選択生徒 20名

内容

第一回目

5校時 
○ 障害が作られる原因に気づき、どうすれば障害を無くしていけるのかを考える
 → 目が見えない見えにくい人の生活および生徒自身の生活の中から障害が社会に
   あることを理解する

6校時
○ 障害を無くす一つの手段としての点字を学ぶ
 点字の歴史、なりたち等
 簡単な点字のルール等
 実際に書いてみる
○ 次週に向けての宿題
 家庭や街にある点字表示を探して写真に撮る、または持ってこれるものは
  持ってくる。
 短文を点字で書いてくる。

第二回目

5校時
○ なぜ障害を社会モデルで考えることが重要なのか
 → SDGsの大きな目標である「誰一人として取り残さない社会」を構築するのに極
  めて重要な考え方であることを理解する

6校時
○ 生徒が点字で書いてきた短文を講師が読みながら添削
○ 視覚障害者の誘導体験 
○ 生徒同士で家庭や街にあった点字には何が書いてあるのかを凸面表を見ながら内容を読む
 → それは十分な情報となっているのか(障害は無くせているのか)を考える
 ※生徒を4グループに分けて、順番に実施

学校からの感想

〈生徒から〉

○障害を持つ人はその人自身の体に、不自由なところがあるという考え方をしていました。その人が悪いとは全く思っていなかったけど、お話を聞いて環境が障害を生み出しているということに、とても納得ができました。もともと社会が、全ての人から暮らしやすく、不便でないものだったら、障害を持っているを感じないような生活が、誰にでも送れるのだろうと思いました。思いやりの心を持ち、自分が街を歩いている時に、社会にある障害を見つけたら、なくしていけるような人になります。

○今までは障害を持っていると聞くと、自分とは違う特別な人という感覚がどこかにあった。しかし今日のお話を聞くと、障害と感じるかどうかは環境とその人次第で、自分と変わらず普通に暮らしているのだとわかり、障害に対して少し理解が深まったと思う。障害を持つ人が、障害があると感じないような世の中になればいいと感じた。

○私は最初障害とは体にあるものだと思っていた。しかしお話を聞いて、周りの環境そのものが、障害になりえるのだということが分かった。身長が低いこと、目が見えないこと、車椅子を使っていることが悪いのではなく、身長が平均的であること、目が見えること、歩けることを前提としている社会に、問題があるという考え方を、今までは、してこなかったから今後はそういう見方をしようと思った。点字についてもどんな場所で、どんな風に使われているのか、積極的に探してみたい。今日の講座は新しい発見が多かったから、配慮、共生、多様性の尊重を忘れずに、色々な人に伝えていければいいと思う。

○今回は見えないという視点で、改めて社会にある障害を考えることができました。現代ではユニバーサルデザインなどの普及で、大分暮らしやすくなったのかなと思っていましたが、まだ足りないところはあり、自分で工夫しなくてはいけないのは大変だと感じました。しかし記憶を使ったり、他の感覚を使うことでできるようにしたり、私たちが思っているより簡単に行っていることも知り、自分の普通の当たり前を同じとは限らず、人それぞれほとんど無理なく暮らしているのを感じました。それでも私たちが作った悪環境や、まだ誰もが暮らせる状況になっていないところは、私達で改善していくべきだと思いました。

○やはり障害を作ってしまっている周りの環境や、私たち一人ひとりの意識がないと、誰もが過ごしやすい社会にはならないのだと、改めて気づかされました。このように若者が視覚障害をはじめ、様々な障害について、知識を得ることができる機会は増えています。このような経験や今日のお話を通して、意識をしてみようと私が思ったように、多くの人が、今持つ偏見をなくし、少しでも意識をすれば、誰もが過ごしやすくなると思います。「信号や階段、駅などまだ障害がある環境を改善するためには、お金が必要だけど、意識はただ 。」 これはラジオで、私の好きなジャニーズグループの人が言っていた言葉です。私はこれからも点字ブロックや、障害が残ってしまっている環境など意識をしながら、過ごしていきたいなと思いました。障害がある人がない人に助けてもらう社会ではなく、どんな人でも不自由なく使用でき、できる製品や制度が、これからできればいいと思います。また障害者に対する認識が、この授業を受けたことで変わり、正しい認識が社会に広まるよう、まず自分が正しく理解しようと思いました。

〈先生から〉

○障害を社会モデルの視点で捉えることは、誰もが考えたことがないことであり、また社会に課題があるという点は十分納得できることであると思います。大人になってから何かを変えようとするのは実は難しいため、学校などで講演をされることで、その話を聞いた児童・生徒がきちんと理解をした大人になると、もっとよりよい社会になると思います。SDGsのNo one left behind. の話も大変よかったです。
○高校3年生ですが今回の授業で得たものを忘れずにしてほしいと思います。