更新日:2024 年2月18日

だれもが当事者― 障害をなくして、誰もが生きやすい真の共生社会へ ―

社会には多様な人(いろいろな人)がいます。
肌の色や目の色、髪の毛の色も様々。年齢も様々。目や耳や鼻の形だって、みんな違いがあります。体格だって様々。
体の機能だって様々。
二本の足を使って移動する人、杖と足で移動する人、車椅子で移動する人。
目で見て情報をとる人、耳で情報をとる人、触って情報をとる人、それらの2つもしくは3つを組み合わせて情報を取る人。
得意なこと・好きなことだって様々。
地球上の何億人という人々の中で誰一人として同じ人はいないのです。
こんな多様な人が暮らしている社会。

何で「暮らしにくいこと(困る・不便)」がある人と、そうでもない人がいるのでしょうか。
①からだの機能障害がある人の暮らしに、なぜ「困ること・不便なこと」があるのでしょうか。
→社会のしくみは、どんな人に便利にできていますか? それは多様な人の利用を想定していますか?
②からだの機能障害がある人がなぜ「へん・劣っている」と蔑視されたり異質な者として排除されたりするのでしょうか。
→誰一人として同じ人はいないのに、一人一人の意識が「みんな違って当たり前」になっていますか?

誰もが互いの違いを認め合って、配慮し合うことができたら皆が幸せに暮らせる社会になることでしょう。
子どもたち自身が、多様なニーズと個性を持った他者の人格を認め尊重することの大切さを、自分の問題として考えられるようになり、いじめなども自分たちで無くすこともできるし、作り出してしまうことにもなる」ということを気づくきっかけとなる時間を、多くの子供たちに提供していきたいと思っています。

社会モデルは障害をなくすカギ

小論文:新しい障害の考え方と合理的配慮の提供について

法人の前理事長が社会モデルや障害者を取り巻く環境について簡単にまとめました。
★新しい障害の考え方と合理的配慮の提供について(リンク)

※ここ、新城さんの文章

障害とは?

健常者でも、「自分にとって使いやすいものがないとき」には困りませんか?
周囲の人に無視されたり、配慮がなかったりするときに、困りませんか?

イラスト1: 大人の机で困ってる  冊子p22 入り口でおしゃべり

このように、からだの機能に障害がなくても、周囲の状況に障害(バリア)があると困ってしまいます。
「からだの機能障害がある人」も同じです。
自分にとって使いやすい道具がなかったり、周囲の配慮がなかったりするとき、それが障害(バリア)となり、困ります。
障害とは、社会の環境が作り出すもの(社会モデル)であり、人のからだの機能障害(個人モデル)ではないのです。

イラスト2:障害の社会モデルとはの絵(解説書左ページ)

上の図で考えると、
青に変わったことが伝わらない原因を「目が見えないから」とするのが個人モデル・医学モデルです。目を見えるようにしなければ伝わりません。
一方、社会モデル・人権モデルでは、「多様な人がいることを無視して音の出ない信号機を設置したこと」が原因であると考えます。信号機のしくみを変更すれば伝わります。
「障害(バリア)の原因と解決の責任がどこにあるか」が、社会モデルと個人モデルでは大きく異なります。

社会モデルでの障害理解の必要性

なぜ社会モデルで障害を理解することが不可欠なのでしょう。
それは、社会モデルは、障害を無くし、誰もが困ることなく楽しく暮らせる共生社会を実現するためのカギだからです。
なぜ社会モデルは障害をなくすことができるのでしょうか。
それは、真の障害に気づけ、それをなくす行動に結びついていくからです。
これらを考えるとき「障害がどこにあると考えるのか」にカギがあります。

社会モデルでは、障害は「人の意識も含めた社会の環境・しくみにある」と真の障害を捉えています。
例えば社会モデルで考えると
「足を使って移動するのが当たり前」の想定で作られている道路や建築物の在り方そのものが、車いすなどの多様な移動の仕方をする人に障害となり、これが原因で困りごとができることに気づくことができます。
「見えるのが当たり前」の想定で「見ることでだけ情報が伝わる情報発信」をすることが、目の見えない人に障害となり、それが原因で困りごとができることに気づくことができます。
このように、困りごとの原因となっている「障害がどこにあるのか」に気づくことができるのです。
原因がわかれば、そこに対処すれば障害はなくなります。
その結果、多様な人たちが困らなくなるのです。
一方、個人モデルでは「人のからだの機能障害」だけが困りごとの原因と考えるので、
健常者だけに便利なものが作られ続け、差別や偏見も含めて永久に障害はなくなりません。

社会モデルは人の意識改革も含め、障害を取り除くことができるので、
人の差別偏見意識も含めて社会から障害がなくなり、多様な人が困ることのない真の共生社会ができていくのです。
また、からだの機能障害が無い人にとっても、自分たちの日常生活にも障害があることに気づくので障害を自分事として真剣に捉え、障害を作らない、あったらなくす行動に結びついていくのです。
つまり、自分だけが楽しいのではなく、他の人が困らないように考えたり、困っている友達がいたらいっしょに解決の方法を考えたりする、ことなどに結びついていくということです。
このようなことで、社会モデルで障害を理解することが不可欠なのです。

障害をなくす重要な要素

考え方

k★障害とは(リンク)
障害者とは★障害者とは←
★ノーマライゼーションとは(リンク)
★共生社会とは(リンク)
★社会的障壁とは(リンク) ※現 社会的障壁の除去のページ

社会のしくみ

障害をなくす社会のしくみは、大きく3つあります
★ユニバーサルデザイン(リンク)
★バリアフリー(リンク)←新設
★人的配慮(適切な調整)(リンク)←新設

人の意識

★人の意識の具体的思考・プロセス(リンク)
★身近なところに目を向けてみよう(リンク)
★平等ってなぁに? ーー 考えてみてください ーー(リンク)

私たちの講座について

講座の目標

だれもが楽しく暮らせる社会を考える
まずは自分たちの身の回りの家庭や学級といった小さな単位の社会において
互いの違いを認め配慮しあうことで、障害(バリア)を作らない、あったら無くせる人たちを増やすことです。
そして、その延長線上で、多様な人たちがクラス地域社会の中でもこのことを実践することで、
人の意識が「みんな違って当たり前」となり、差別や偏見が無くなることで、製品やサービスからも障害がなくなり、真の共生社会ができることです。

障害の考え方は社会モデル

イラスト3:社会モデル・人権モデル と 個人モデル・医学モデル の対比の表解説書p1の表

従来の講座との違い

私たちの障害理解講座は障害平等研修(リンク)を参考にしています

イラスト4:従来の講座との違いの対比の表解説書p2の表

誰にも障害 バリア のない共生社会ができるためには、
「全ての人が、社会とのかかわりの中で尊厳のある一人の人として暮らしていること」を、無視しては考えられないはずです。
しかし、従来から人権教育・福祉教育と称して、
「障害者にはやさしくして助けてあげましょう」という個人モデルの講座が当たり前のように実施され続けられてきました。
これは人権を無視するつもりもなく、よかれと考え実施していることなのですが、障害者の機能的制限にだけ着目しているので、無意識のうちに社会とのかかわりは無視されて「健常者から庇護される者・別世界に生きる劣った者」と障害者を位置づけてしまうのです。
このようなことで結果的に差別助長教育になってしまっており、きわめて残念な現状です。
ぜひ、人権教育で何を学んで欲しいのかを今一度考えてみて欲しいのです。

「体験」の在り方

従来から「よかれ」と思われて実施されてきた体験活動は、極めて危険な体験です。
イラスト5:困った顔の直子さん横顔
★やめて!!! アイマスク体験(リンク)
イラスト6:NOを表すロゴ黒い手にNOの文字と重ねてストップマーク
★大失敗!!!! アイマスク体験レポート ~一人の小学校教師の実践記~(リンク)
イラスト7:ひらめいた を表すイラスト
イラスト8:親指を上げた手の絵文字good job
★おすすめ体験 聞いてわかる!触ってわかる!(リンク)

障害理解のための動画と冊子

講座の事前・事後学習にも利用いただいています。

(A)障害理解のための動画

イラスト9:障害理解のための動画の1シーン 道路, 屋外, ストリート, 男 が含まれている画像自動的に生成された説明
★11分30秒の動画です YouTube動画(リンク)

(B)障害理解のための冊子

イラスト10:冊子の表紙 PDF版(リンク)

○冊子の一部を紹介します 冊子の中心となる部分を確認できます。(画像をクリックすると拡大表示されます)

イラスト11  イラスト12  イラスト13
イラスト11:冊子p14、15(からだにある障害と社会にある障害)
イラスト12:冊子p22、23(障害って何だろう・障害ってどこにあるんだろう)
イラスト13:冊子p26、27(みんなちがってみんないい)
ご自由にダウンロードいただき、ご活用ください。

★障害理解のための冊子 テキスト版

(C)【解説書】:障害理解のための冊子

理解を深めていただくために 冊子の【解説書】も作りました

イラスト14:【解説書】の表紙 PDF版 (リンク)

★解説書:全文テキスト版 分割テキスト版

★★★ この冊子の文章・イラストの著作権は(特非)神奈川県視覚障害者情報雇用福祉ネットワークに帰属します。この冊子の全部を複製することは可能ですが、個別のイラストを無断で使用することは固く禁じます ★★★
こちらをダウンロードしてご活用いただいた方にお願いです。
どのようにご活用いただいたのか、ご覧いただいた感想等、できましたら問い合わせフォーム(リンク)からご一報いただけますと幸いです。

私たちと考えを共有する時間をもちませんか

児童生徒の皆様には人権学習(福祉教育)という形で、そして行政・企業・地域の皆様にも研修や学習会などの機会として講座を提供しています。

(A)講師は視覚障害当事者

イラスト15:イラスト(吹き出しで講座費用 一講座5,000円~(交通費込み)のご用意をお願いいたします。直子さんの横顔)
目の見えない・見えにくい者が実体験を踏まえてお話しします。
講座費用 :一講座5,000円以上(交通費込み)のご用意をお願いいたします。
★伺うのはこんな人たちです(リンク)

(B)主な講座の流れ

講座の「めあて」と「結論」は全員同じですが、それぞれの講師の特性を生かした展開です。
イラスト16:笑顔の直子さん横顔
★主な講座プログラムの流れ(リンク)

(C)受講者の感想

★活動報告(リンク)特に「学校からの感想など」に着目ください。

(D)講師派遣事業紹介リーフレット

社会モデルについて、その必要性等、概略の説明と、講師派遣について記載しています。
ダウンロードしてご活用ください。
イラスト17:リーフレット表紙の絵
★リーフレットPDF版(リンク)
★リーフレットテキスト版(リンク) (リーフレット表紙)リンク
*講師派遣についてのお問い合わせは問い合わせフォーム(リンク)からご連絡ください。

視覚障害者の機能障害と障害(バリア)

目の見えない・見えにくい人の機能障害

目の見え方、目が見えにくい状況、何も見えない状況について紹介します。
★見えるってどんなこと?(リンク)
★見えない・見えにくいってどんなこと?(リンク)
★見えない・見えにくい人は聴覚などが飛び抜けて発達するわけではありません(リンク)
を、見えない・見えにくいってどんなこと? の中に入れたいです。

目の見えない・見えにくい人の障害(バリア)

★見えない・見えにくい人に障害(バリア)が作り出されているのはなぜ?(リンク)の中身をここに出してきたいです。
では、この障害はどうしたらなくなるでしょう。
★見えない・見えにくい人の障害はどのようなことでなくなるの? ―― 視覚障害者の日常生活 ――(リンク)
★見えない・見えにくい人の障害はどのようなことでなくなるの? ―― 文視覚障害者の文字処理 ――(リンク)
★見えない・見えにくい人の障害はどのようなことでなくなるの? ―― 視覚障害者の歩行 ――(リンク)
★あなたにも「見えない・見えにくい人」の障害をなくすことができます(リンク)
★あなたの何気ない行動が障害を作り出していることがあります(リンク)

職業、スポーツ・余暇活動

職業、スポーツ・余暇活動について紹介します。
★見えない・見えにくい人の職業(視覚障害者の職業)(リンク)
★見えない・見えにくい人も、ともに楽しめるスポーツ(視覚障害者スポーツ)・余暇活動 (リンク)
※本法人会員が「JRPS神奈川」のページに、よくいただく質問とその解説を掲載しています。そちらも参考になさってください。
★JRPS神奈川「クラリス姫の福祉教育」(外部サイト)のページへ(リンク)