4年生学年全体 3クラス5~6時間目 体育館でした。
盲導犬ユーザー講師が担当しました。
昨年10月に1度訪れている学校でしたが、前回は使用していた盲導犬が亡くなってしまった後でしたので、私一人の訪問でした。
そのときには「点字ブロックがあればいい」というような、雰囲気の学校でしたが、私の話の後では、少しずつ「ハードだけ整備されても見えない人には情報がまだまだ足りないのだ」と気づいてくれる子が出てきたところまでで、帰ってきました。
先生にお聞きしたところに寄りますと、昨年10月に行ってから、子供たちの意識が変わってきたとのことです。
本法人製作のパンフレットも活用しながら総合学習の時間を使って、視覚障害者の事について調べたり、自分たちにできる事はどんな事なのかを考えたりしたそうです。
自分たちにできる事、それはまず1番身近な両親や家族に視覚障害者の人の話をしてみるという簡単なようで、意外に思いつかない様な事だったそうです。
先生からは何の働きかけも保護者の方々にはしなかったけれど、児童さんが率先して家の人に話をして全ての児童さんが家の人のコメントをもらって帰ってきたそうです。
そこには「今まで自分も何も知らなかった。親がまず実践して見せなければいけない」などのコメントがあったそうです。
このようにして、最初に訪問する前の児童さんの意識が、どんどん変化してきたことに触れることができて、「学校にうかがう活動をしてきて、よかったな」と、とてもうれしい気持ちになりました。
前回も児童さんが盲導犬についての話を聞きたいということもあり、ユーザーの私がうかがったのですが、児童さんの発表に答えることなどもしていましたし、犬がいっしょではなかったこともあり、あまり多くは盲導犬についての話はできなかったので、今回は犬もいっしょに行けたので、まずは盲導犬についての話をして、その後盲導犬についてのクイズを出して、質問を受けました。
盲導犬の事も、ずいぶん理解していただけたのではないかと思います。
次に生活の工夫の話をして、携帯電話やパソコンを利用して情報収集をしていることなどをお話しました。
「聞いてわかる体験」として、携帯電話の読み上げ音声を、自分が実際に聞いているスピードと、普通に聞き取りやすいスピードで聞いてもらいました。
また、ICレコーダーに録音しておいた横断歩道付近での車の音を聞いてもらって信号が変わって車が止まったときの様子の音や、同じ横断歩道を渡る人の気配の音を聞いて、「今わたれそうというタイミングを耳からつかむ」ということをしてもらいました。
みんな熱心に聞いてくれていたようです。
パンフレットで勉強はしていてくれたものの、実際の視覚障害者の誘導体験はしていなかったので、数名にはなってしまいましたが、皆さんの前で誘導をしてもらいました。
その後、再度質問タイムを設けました。
2度同じ学校を訪問することで、学校側の取り組み方の進歩や、子供たちの関心を引き出すきっかけとなったことを、私自身も感じる事のできたひとときでした。
○ 先生からのコメント(抜粋)
講師の方とは2回目で、子供たちも親しみを持って接し、盲導犬のことがよくわかりました。
実際に横断歩道で待っているときの車の音を聞かせてくださったり、声の出る携帯や時計を聞かせてくださったりして、子供たちはビックリしていました。
騒音がひどくて、青信号でもよくわからない子が居て、声をかけてあげることが必要だと感じたようです。
実際に当事者を誘導したことが一番興味を持った活動だったと思います。
学んだことを家族に伝えることで、こころのバリアフリーを広げて行きました。
家族の人たちからも、“町で目の不自由な方を見かけたら声をかけようと思います。”という感想を多数寄せてくださいました。
今はできなくても、子供たちが大人になったときに、進んで声をかける人になってくれると考えています。