講師の石渡教授を囲んで講義を聴く当事者講師

日時: 2012年 6月24日 13:00~15:00
場所: 横浜市西区福祉保健活動拠点 多目的研修室
テーマ: 日本における障害者観の変遷
講師: 東洋英和女学院大学 石渡和実教授


 日本古来の神話にも、生まれながらに障害があった子どもを川に流したという記述があった。
逆に障害者が神としてあがめられたという→七福神

 長い間障害はその個人に起因するものと観られてきたが、現在では障害は社会に起因するというとらえ方になっている。
社会環境の整備、合理的配慮により、社会的不利はゼロに近づく。

石渡先生の資料から抜粋
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 2001年、WHOの総会で、「国際生活機能分類(International Classification of Functioning, Disability and Health:ICF)」が採択された。
 ICFでは、まず、どのレベルについても、マイナス面もプラス面もない、中性的な位置づけをしていることが注目される。そして、1次的な医学的レベルを「心身機能・身体構造(body functions and structures)」と呼び、そのマイナス面として、ICIDHでも用いた「機能障害impairment」と位置付けている。2次的な個人生活レベルが「活動(activities)」で、そのマイナス面が「活動の制限(limitation of activity)」、3次的な社会生活レベルが「参加(participation)」で、そのマイナス面が「参加の制約(restriction of participation)」である。
 ICFは障害を3つのレベルで捉える点はICIDHと同じであるが、ICFでは、障害はマイナスだけでなくプラスにも働くという視点に立っている。また社会のあり方に注目し、「背景因子(contextual factors)」の重要性を強調しているので、「社会モデル」などと呼ばれる。背景因子には、建築物などの物理的側面だけでなく、市民の意識・態度などの社会的側面を合わせた「環境因子(environmental factors)」と、障害者自身の経歴や周囲の人々との関係性などの「個人因子(personal factors)」とがある。
 たとえば、障害を機に新たな出会いが生まれ、新しい活動や社会参加につながるというメリットも考えられる。活動に打ち込むために体調管理に留意するようになり、健康状態が安定するなど、3レベルと健康状態、背景因子とが、相互に関連し合う点を強調していることが特徴である。このICFの考え方は、2006年に採択された国連の障害者権利条約、2011年に改正された障害者基本法の「障害」の定義などにも大きな影響を与えている。

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