1.実施施設名(学校名など): 横浜市立本郷台小学校(2回目)
2.実施日時: 平成27年 1月23日 3~4校時 10:40~12:00
3.対象者: 4年生学年全体3クラス 94名
4.内容:
(1) 講師自己紹介
(2) 7つのキーワードの提示
→画像で提示して言葉の意味を解説
(気づき、違い、知る、共生、配慮、仲間はずれにしない、みんな違ってみんないい)
(3)人はどのように次にどうするのかを決めているか
○ 人が外界から情報を取り入れる方法
→見ること・聞くこと・触ること・かぐこと。
○ これにプラスして記憶(覚えている)と情報と組み合わせる。
このようなことで人が行動していることを説明
(4)見えないとなぜ不便・困ること(障害)は生じるのか
○ 外界から人が取り入れる「見てわかる情報」が入らないことで情報不足が起き
るから。
→見てわかる情報はとても多くあり、しかも社会には見える人にだけ配慮を示
している情報がとても多いから不便・困ること(障害)が起こる
(5)では、その障害はどのようなことで軽減されていくのか、なくなるのか。
○ 見ること以外、つまり聞くことや触ることなど情報が入ることで不便・困ること
(障害)は軽減されていく
○ それにプラスして「覚えている情報」をうまく組み合わせ活用することで不便・
困ること(障害)を軽減していくことができる。
(6)具体的紹介
○ 見えない人の障害をなくすために作られた製品の例示
→触読式時計
○ ユニバーサルデザイン製品の例示
→音声時計・音声電卓など
○ 一般製品を個々人が工夫して意味づけして使うことにより、障害を解消している事例
→洋服を選び出すための工夫、調味料容器の工夫など
(7)外出のときの情報の取り方
○ 白杖を持って歩く
○ 盲導犬を使う
○ ガイドヘルパーさんと歩く
(8)誘導体験
○ 一般的誘導方法の説明
○ 全員が当事者講師を誘導する体験
(9 )まとめ
○ なぜ見えないと障害が起こるのか、それはどうしたら軽減していくのかの復習
○ 社会との関わりの中で障害が生じたりなくなったりする
→日本の社会にメガネがあるから見えにくい状態が解消されている人もこの中にいるよ
ね。など
○ みなも今現在配慮されている
→学校では皆さんの体の大きさに合わせた机が用意されていることなど
○ ひとりの人をとりあげても年齢やその時々の体の具合で必要な配慮がちがうし、
一人一人みなちがって必要な配慮がみんなちがう。
○ 福祉とは、障害者や高齢者のためのものではない。みんなの幸せのためのもの。
○ みんなに「心のユニバーサルデザイン」があったら家族もクラスも学校もそして社
会も、仲間はずれにされる人がなく、だれもが不便なく共に生きられる社会がで
きる。
(10) 質問コーナー
5.講師の感想など
○ とても落ち着いていて一生懸命に聞いていた。
○ 質問をするとあちこちで声に出して反応をかえしてくれたので、とてもすすめ
やすかった。
○ 誘導体験を3クラス同時に3人の講師と児童たちが一度に行ったにも関わらず、
気がそぞろになったり順番を待つ間におしゃべりが止まらなくなるようなことも
なく、皆が熱心に真面目に取り組んでくれていたことに感心するとともに、たい
へん嬉しく思った。
○ 管理職の先生が講座に参加していただけることはとても少ない中、副校長先生が
見学され、児童の様子を後で伝えて下さった。 このように管理職の先生に私達
の講座にご参加いただいたり見ていただいたりすることは、とても意味のあるこ
とと確信する。
6. 学校からの感想など
(先生から)
○ 初めて出会う子どもたちは、目の不自由な方々が身近な存在ではないので、「目が
不自由 でかわいそうだな」と思っていた子も多かったと思うが、「7つのキーワー
ド」で、自分たちの身近なこととして、とらえることができていたのではないかと
思う。
○ 普段あまり質問をしないような子が質問をするなど、こちらの思っていた以上に、関
心をもって理解しようと努めていた。
○ 誘導体験は、みんな真剣に取り組んでいた。緊張感をもって1対1で接することがで
きた。「上手だったよ、ありがとう」という言葉がとてもうれしかったようだ。
○ 2回目に出会う子どもたちは、声を出して反応するなど「仲間外れにしない」ことを
はじめから意識できていた。前回の学びがより深まった。
○「福祉や配慮」ということが障害者だけでなく、みんなにあてはまるのだということを
言っていたことがよかった。7つのキーワードの理解が深まっていた。
(児童から)
○視覚障害などの障害がどうすれば障害でなくなるのかなど考えたこともなかったのですが、
これもわかったので生活に生かしたり、大人になったらバリアフリーに関わる仕事をしたい
と思います。
○クラスでも配慮してくださいという言葉で感じたのは、一人ひとりできることは違うから
みんなが協力すれば仲良くなり配慮に繋がる気がします。
○7つのキーワードの中で、「仲間はずれを作らない」が印象に残りました。なので、目の
不自由な人だけでなく他の障害の人やクラスの仲間の中でも仲間外れを作らないように
心がけたいです。
○キーワードの中で、「仲間外れを作らない」と「みんな違ってみんないい」が印象に残り
ました。なぜならば目が不自由な人だけでなく自分たちにとっても大事だし、自分たち
にとってなおすところだと思った。
○「仲間外れを作らない」という言葉を知って、「自分は仲間外れをされた時、何を思った
か。どういうふうに仲間外れにされたか」を思い出した。そして仲間外れにされた人は
たまったもんじゃないことがわかった。それにそういうことをしている人は差別をして
いる人だから、「みんな違ってみんないい」に差別をしている人はあてはまらないと思
った。そこを一番に優先してなおすべきだと思った。自分ももちろん気をつけなければ
と思った。そういうことを気づかせてくれた人権教育を大切にしたいと思った。
○ 何度も配慮という言葉を聞いてクラスの友達に配慮する仕方がわかりました。スーパー
でも見えない人の障害をなくすためにしていることがあることを知りました。他の店で
もそうなるといいと思いました。今回の人権教室で目が不自由な方も耳が不自由な方も
しゃべるのが苦手な方ももちろん私たちもみんなが安心して豊かに暮らせる社会になっ
てほしいと思いました。また、そのために私ができること、例えばクラスで一人ぼっち
になってしまっている人とかに話しかけたりすることから始めたいです。
○ 今回「違い」について考えました。発言できるけど考えるのが苦手だったり、考えられ
ても言葉が出にくいのに「早く言えよ」とせめられたり、肌の色が違うだけで外国人だ
と馬鹿にされたりされているのを見たら、クラスの中で止められるようになりたいです
○ 障害者だけ配慮されていると思っていたけれど私たちも配慮を受けている聞いてびっく
りしたけど納得できた。日本中みんなが配慮を受けているのだから自分も配慮できる人
になりたいと思った。