1.実施学校名 :横浜市立上瀬谷小学校
2.実施日時 :平成27年12月7日 2校時(1・2年生)3~4校時(3・4年生)
3.対象者 :1・2年生160名 3・4年生 200名
4.内 容 :
<1~2年生>
(1)導入
○ 講座の目的の説明
・目的:見えない人も含めて、誰もが寂しい気持ちにならないで楽しく暮らして
いけるようにするには、どんなことが必要なのかな?
・キーワード:仲間外れをつくらない。みんな違ってみんないい
○ 講座時間に、いっぱい声を出して聞いてほしいことの説明。(クイズ形式)
(2)こんなことで見えなくても周囲のことがわかる。
○ 見えないってどいうことか。
○ 目以外で周囲の様子を知る手段
→聞いてわかる・触ってわかる・臭いでわかる・それと記憶の活用。
(3)「このようなことで障害がなくなること」の説明
○ 同じ大きさの手触りのカレールーとデミグラスルーの箱
→パッケージは見える人にだけわかるようになっているから伝わらないが
ちょっとした工夫があれば区別できる。
○ UDやBFを時計を例として紹介
○ 歩行について
・見ることでないことを手掛かりにして歩くこと
○ 手がかりがない時に皆さんが道に迷うように、見えない人も迷うことがある
→周囲の人の声かけや配慮が大切
↓ ↓
(4)人のいろいろな心を寸劇を使って紹介
「無視」「身勝手」「相手の気持ちを考える」
→寸劇で紹介した後に、その振り返り
(5)児童自身が受けている配慮
○ 紹介した道具や寸劇を振り返りながら、現在自分が受けている配慮の例の
提示で自分のこととして考える。
○ みんなの心がどうだと、みんな楽しくなるかな?
→みんな違ってみんないい
(6)質問タイム
(7)最初に提示したキーワードを使いながらまとめ・メッセージ
<3・4年生>
(1)講座時間にどのようなことに留意して聞いてほしいかの説明(クイズ形式)
(2)講師の体験談
○ 見えていた時
○ 見えなくなったばかりの時には気持ちが落ち込んでいた。
○ 折り紙を通じて前向きになれた
→失敗しても最後までやり遂げたことが転機に→折り紙が宝物に
○ 今では折り紙講師となって、折り紙の楽しさを多くの人々に伝えている。
とても楽しく暮らしている。
(3)三つのキーワード
「配慮」「仲間外れをつくらない」「みんな違ってみんないい」
○ 画像で提示。講師の後について児童全員で復唱。
○ キーワードの意味の説明
(4)見ること以外から、周囲の様子を知る手段について確認
→聞くこと・触ること・臭い・そして記憶の活用
(5)見てわかること以外の仕組みがあることで、見えなくても障害は生じないことを
説明
○ ちょっとした工夫
○ UD・BF製品の活用
○ 周囲の配慮
→UDもBFも作り手の心に配慮があることで作られるもの
(6)児童自身が受けている配慮
→配慮が必要なのは決して高齢者や障害者だけでなく、みんなにとって必要なこと
(7)社会の障害を作り出すのも無くすのも、一人ひとりの行動が大切なこと
(8)配慮しあって楽しく暮らすには、互いの違いを知ること
→みんな違ってみんないい
(9)質問タイム
5.講師の感想
○ 講座中、聞くときにはきちんと聞いて、呼びかけをすると元気に声で反応を返して
くれたのでとても進めやすかった。
○ 寒い体育館だったが、児童はよく集中して聞いていた。
○ 折り紙を通して「気づき」を得てもらえてよかった。
6.学校からの感想など
<先生から>
○ 画像を使っての話や折り紙をしているところの手元の拡大を見せてくれたことなど
がわかりやすかった。
○ 日常生活の話が中心だったので、児童も一つ一つ状況が想像できていた気がした。
○ 実施前は「目が見えないのはかわいそう」と感じていた子が多かったが、実施後は
そういうことではなくて「困っている人がいたら声をかけたい」という感想を持つ
ことができたようです。
<児童から>
(低学年)
○ みんなに無視されたら悔しいです。だから僕も無視しないようにします。
○ 相手の気持ちになって助けてあげたいです。もし困っている人がいたら声をかけら
れるようにがんばります。
あと、「仲間外れにしない」と「みんな違ってみんないい」をしっかり覚えておき
ます。
(中学年)
○ 目が不自由でも音や感覚でいろいろなことができることがわかりました。これから
いろいろな人のことを考えていろいろとしていきます。
○ 講師の人が見えなくなってから折り紙をたくさん練習して、見なくてもできるよう
になったのが心に残りました。私もできないことがあったら何回も練習したいです。
○ 私は目をつぶって折り紙を折ったら難しく感じました。でも、あきらめずにずっと
折っていたら、見えなくてもきれいな作品ができるんだなと思いました。