更新日:2014年10月26日

見えないってどんなこと?で紹介したことについて、もう少し詳しく書いてみたいと思います。

★ 弱視

何も見えないわけではないが、「見えている人」よりも、目からの情報が少ない状態です。

その見え方は、「よく見えている人」に近いくらい見える人から、目の前で動くものが少しわかる人まで、その程度は様々です。

目の前がいつもぼんやりしている人、見える範囲が狭い人、昼間はよく見えるけど夜になると見えない人など、見え方も様々です。

この「弱視」と呼ばれる人たちはとても大勢います。

全体が見えているのだけどぼんやりしている
全体が見えているのだけどぼんやりしている写真

見える範囲がとても狭い
見える範囲がとても狭い写真

◎弱視はとても誤解されやすい

何も見えないわけではない。でも、「よく見えている人」のように、全てがきちんと見えているわけではない。

このような常態ですから、
○遠くから手を振られても気づけない。
○いつも見えているものが、少し暗い場所に行ったときには見えない。逆に少しまぶしい場所に行ったら見えない。
○書体によって見にくい(明朝体は細い線のところがあるから見にくい)等。
○すぐ目の前にあるものでも視野欠損により、ちょうど視野欠損部分にかかっているために見えない。など、
このようなことが起こることがあるので、

○手を振ったのに無視した!
○さっきまでちゃんと読んでいたのに、今は、読めないってどういうこと?
○ちゃんと大きな文字で印刷してあるのに何で読めないの?
○柱や、半開きのドアにぶつかったり、ゴミ箱を蹴飛ばしたりして、何て注意散漫な人なの?

など、こんな誤解をされるのです。

弱視の人は「目からの情報が不十分ですが、何も情報がないわけではありませんので、白杖を持っていないこともあります。

もしも、上のようなことがあったら、「もしかしたら見えにくいのかな?」と相手のことを慮ってみてください。

また、弱視の人も、自分が見えにくいことを周囲の人に知らせるために白杖を持っていることがあります。
でも、弱視ですから少しは見えます。そのような人に出会ったときに、

○「見えるのに何で白杖を持っているのよ!」
○「メガネをかけているのに何で白杖を持っているの?」などと

「白杖は全然見えない人が持つもの」という先入観で見ないでください。

★ 「全盲」

目からの情報が全くない、
あるいは活動の情報源として活用できるだけの情報量が入らない,
という状態です。

「光が分かる程度」の写真(左上に光、中央および右下に黒い影、影の間は白や赤っぽい色が少し見える)
光が分かる程度の写真(左上に光、中央および右下に黒い影、影の間は白や赤っぽい色が少し見える)

「全く分からない」写真(全面灰色)
全く分からない写真(全面灰色)

「全盲」と聞くと、真っ暗闇と思う人が多いと思います。でも、実際は真っ暗闇と感じる人は少ないです。
真っ白な世界、まぶしすぎる世界と表現する人もいます。
星がいつもきらめいている、黒い点がたくさん飛び交っている、カラフルな模様がいろいろな形で現れては消え現れては消えと感じる。
視野の真ん中は見えないけど、外側は少し見えるところがあるという人もいます。
感じ方は、一人一人違います。

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